月別アーカイブ: 4月, 2018

enzo式サブタンク バージョン2

 

バージョン2と言っても、逆止弁をつけてサブタンクへ向かう方向の流れと、フロントフォークへ戻る方向の流れを別々に制御しようとしているだけです。

1回目試作と違うのはこの部分です。

スピードコントローラは、伸び側も、圧側も、標準タイプにしたかったのですが1個しか所有していなかったので、圧側は低速制御タイプにしました。

さらに、所有していた低速タイプは6mmチューブ用だったため、6mm⇔4mmの変換継手も使っています。

低速制御タイプは20回転ほど戻せるようですが、1回転あたりの調整幅は標準タイプの40分の1ほどのようです。標準タイプで4分の3回転戻しぐらいが丁度良かったのですが、2分の1回転戻しぐらいまでの調整になりそうです。

現状ではフロントフォーク内の作動油が少なめなのですが、標準か多めに変更すると、内圧が高めになることから、強めに絞ったほうが良い可能性もあります。

 

誤組み防止のため拡大画像を残しておきます。

 

低速制御用スピードコントローラAS1001FM-06

 

スピードコントローラの低速タイプを保有しています。

AS1001FM-06というタイプです。

流量特性は以下のグラフのようになります。

ニードル回転数10回転戻しで3L/分ぐらいの流量になるようです。

※差圧0.5MPaで測定。

 

ところで、エンゾー式サブタンクのテストに使用したスピードコントローラはAS2002Fでした。たまたま在庫があったので購入しています。

走行テストの結果として、閉じ切りから3/4回転戻しぐらいが良かったわけですが…

AS2002Fだと、ニードル5回転戻しでは40L/分ぐらいのようです。つまり3/4回転戻しだと、6L/分ぐらいになります。

 

結局、低速制御用のAS1001FMだと20回転ぐらい戻したところが丁度いいということになりそうです。

同じく低速用でも、AS2051FMなら5回転戻しで20L/分ぐらいなので、これなら3/2回転戻しぐらいで丁度いいぐらいになりそうです。

または、標準タイプでAS1002Fなら5回転戻しで25L/分ぐらいなので、1回転とちょっと戻しぐらいで丁度よくなりそうです。

 

ところで、私のCRF450Rですがフロントフォークのシール交換を実施した時に、再組み立てで作動油量を最低にしてあります。フロントフォークの作動油量を増やせば圧縮時に高圧になりやすく、スピードコントローラを流れる流量も増える可能性があります。

 

enzo式サブタンクのテスト

 

本コースへ移動して、スピードコントローラ全開と全閉の比較から始めました。

全開については、違和感が大きく気をつけて走らないと危ない感じでしたが、まずは、第2コーナーの進入にある突起でフロントが下がりすぎる印象でした。

 

スピードコントローラ全開

 

スピードコントローラ全閉

 

 

続くセクションで小さいジャンプが連続しますが、スピードコントローラ全開の場合はフロントを落とさずにウィリー気味に走る感じになります。

 

スピードコントローラ全開

 

スピードコントローラ全閉

 

 

その後のブレーキング(3コーナー)も、スピードコントローラ全開だと思いきってかけられない感じになります。つまり、フロントタイヤのトラクションよりもサスペンションのバタツキに注意してブレーキをかけるような感じでした。

 

スピードコントローラ全開

 

スピードコントローラ全閉

※前に小さいのがいるせいかもしれません?

 

 

その後、本コース全周を周回しながらスピードコントローラの締め切りから1回転戻し、2回転戻し、1/2回転戻しなどを比較して、3/4回転戻しに落ち着きました。

スピードコントローラの絞りを閉じていた方が違和感が少ないのですが、開いていた場合には、フラットコーナーを走行中にフロントが低くやわらかいため旋回性が高い感じでした。コーナーの進入でそのまま倒しこめる感じでした。

 

その後、確認のためにサブタンクをはずして走ってみましたが、あたりが固くコーナーの進入でもたつく?感じになりました。

夕暮れ時で影が見えますが、サブタンクがある方がフロントフォークが縮んでいて細かい動きが少ないように見えます。

 

ナイロンチューブの強度

 

ナイロンチューブの強度が気になって調べてみたのですが、いわゆる引張り強度というのはカタログ値としては存在しないようでした。引っ張れば伸びるのでしょうから、荷重試験機で引っ張るような話とは違うのだと思います。

ネット検索で探して出てきたのが、霧雨散水の気化熱で冷房するナイロンチューブの耐候性についての資料でした。以下のグラフは紫外線を当てて劣化させたナイロンチューブの強度ですが、劣化により伸びやすくなるものの引きちぎられる荷重は変わらず、2000N(200kgf)程度のようです。

ただし、この文献ではチューブの太さが、外径9.5mm、厚み2.5mmとなっています。この場合、断面積はおおよそ32平方ミリとなります。

今回のenzo式サブタンクに使用したナイロンチューブは、外径4mm、厚み0.75mmですので、断面積は9.4平方ミリです。文献のチューブは3.4倍ほど断面積があることから、enzo式サブタンクに使用したチューブが引きちぎられる荷重は、2000N÷3.4≒600N(60kgf)程度ということになりそうです。

ナイロンの紐を引っ張ってちぎれるかというと、人間の力では難しいぐらいの感じなので、こんなもんでしょう。

 

そうなると、ワンタッチ継ぎ手からチューブが抜けてしまうというのが気になります。

こちらは、SMC製ワンタッチ継ぎ手に関する資料に記述がありました。

JIS規格で80N(8kgf)以上と定められているようです。5kgのダンベルなら大丈夫だけど、10kgだと抜ける感じなので…

サブタンクが落ちても大きいGがかからないと抜けないぐらいの感じかもしれませんが、重量のある部品は固定しておいたほうがよさそうです。

 

なお、ワンタッチ継ぎ手にチューブを取り付けたり取り外したりする場合に必要な力は以下の通りです。

引き抜き耐力?の80Nと比較してそれほど大きく違わないということは、ワンタッチ継ぎ手については、内圧によって抜けることが少ないという面が重要だということなのかもしれません。

 

フロントフォークのエア抜きビス6

 

走行後取り外して、こんな状態です。

まず、2個あるOリングのうち上側はつぶれて段付きになってしまいました。

キャップから取り外す場合ですが、ロックナットになっている2個のナットは工具をかける二面巾がそろうわけではないので、ワンタッチ継ぎ手の方を先に緩めることになります。そうするとロックナットではなくなってしまうので、フランジナットは中空イモネジに対して回転してしまいます。

つまり、取り外せません。

中空イモネジの先端に6角穴があいているので、六角レンチで取り外すことができました。他の方法としては、8mmのスパナの薄いものを入手するか、削って薄くすればロックナット状態のままフランジナットを回せそうです。また、さらに他の方法としては、フランジナットとイモネジの間を溶接なりはんだ付けなり接着なりすれば大丈夫かもしれません。

まあ、六角レンチの小さいのがあれば取り外しできます。

 

やはり車速感応でしょう

17CRF450RX用 鉛バッテリー

 

リチウムイオン電池だと扱い方がわからないし4万円/個で高価なので、

17CRF450RX用 鉛バッテリーを純正部品として注文しようとしたら…

できませんでした。

2018年モデルでリチウムイオン電池に切りかえられているため、廃番になってしまったのかもしれません。

 

品物としては、GSユアサのYTX4L-BS のようです。

台湾ユアサということですが、2500円ぐらいで買えるみたいです。

 

※YT4L-BSという製品もあって始動性が劣ると書いてありますが、内部抵抗値が違っていて最大電流が小さいのだと思います。逆にいうとXのほうがショートした時は危険なはずです。パソコンの非常電源用バッテリーだと内部抵抗が高いですが、車用は瞬間的に大電流が流せる仕様になっていて危ないそうです。

 

 

 

4月29日追記

品物が届きました。

出力電圧は12.9Vぐらいのようです。

念のため充電器をつないでみると、満充電のランプが点灯しています。

なぜこんな事をしているかというと…

アマゾンで買うと、液(硫酸のはず)を自分でいれなければならなかったり、充電しなければならない場合があるというような話がカスタマーレビューにあったからです。

でも、予定通り完成品が届きました。

容量は3Ahということなので、1Aの電磁弁を2個駆動するとDUTY50%で3時間ほど持つはずですが…

スペアを買っておきたい気もしますが、中国語で書いてある部分も多くて不安な感じもします。

また、本来的にはセルモーター用ですが、バッテリーが弱ってしまうとエンジンをかけられなくなってしまうわけで…

やはり、キックペダルは残しておこうかと思います。

 

enzo式サブタンク試走 ビギナーコース

 

いきなり本コースを走るのは怖いので、南エンデューロコースへ下る坂を上り下りしてみたり、(ジャンプのない)初心者コースを周回したりしました。

スピードコントローラ(絞り弁)を大きく開いた場合と、完全に閉じているであろう?状態を比較しています。

スピードコントローラ全閉でも、サブタンクなしとは違う感じがしました。到着して早々サブタンクを取り付けてしまったため、比較はできませんでしたが、あたりがやわらかく乗り心地がいい感じがします。耐圧は大丈夫といってもナイロンホースなので、ある程度膨らむのかもしれません。

スピードコントローラを全開にした場合に、サブタンクなしとの差が大きいはずですが、乗り心地はいいものの動きすぎる感じで違和感があります。特に気になるのがブレーキング中にギャップがある場合でした。

 

まず、スピードコントローラを全閉にして…

 

初心者コースのブレーキングギャップを通過してみました。

スピードコントローラ全閉のため違和感は小さいですが、次コーナーの轍には入りそこねています。

このセクションだけでなく全体的な印象ですが、サブタンクなしに比べるとフロントが低く弾力がある感じになります。ゴムっぽい動きというか路面の凹凸に対するあたりは柔らかい感じです。

※カメラはネックブレースに付いていますが、この後、両面テープがはがれました。

 

次に、スピードコントローラの絞りを大きく開いて…

 

ブレーキングギャップを通過しました。

やはり、スピードコントローラを開いた方が違和感が大きくなります。まず、ブレーキングで沈み込む量が大きくなりますが、ギャップから受ける衝撃は小さくなるものの、前輪がはねて接地していない時間ができるような感じになりました。一瞬ブレーキが利かなくなったような印象でした。

ただし、フロントがよく沈んでいるのでコーナー進入の倒しこみはスムーズになる印象です。

 

とりあえず機能しているようなので、本コースの方へ行きました。

 

SMC製スピードコントローラのWEBカタログ

 

4月24日追記

低く感じたり、あたりがやわらかいのは、サブタンクからフォーク本体に戻る流路に抵抗があって、フォーク内圧が大気圧以下になっているからではないかと思います。

「真空引き」のような状態になっているのだと思います。

同じような状態はエア抜きボタンでも実現できます。乗車した1G状態でエア抜きボタンを押しておけば、フォークの伸びきり付近では大気圧以下になります。一般的に、油圧機器の作動油を真空引きすると、特性は良くなります。両ロッドタイプの油圧緩衝器は真空引きをする場合が多いようです。

オリジナルのエンゾーサブタンクがどういう構造なのか、詳しいことは知りませんが、ニードルアジャスタがついていただけのようだったので、だとすると、戻り流路も絞られて真空引きになっていたはずです。走りながら真空引きし続ける感じになります。圧縮もするので、全体的にみると真空引きとは言えないのかもしれませんが、圧縮するだけよりはいいのかもしれません。

エア抜きボタンを押し続けながら走る感じです。

 

enzo式サブタンク取り付け

オリジナルのenzoサブタンクは、左右2個別々で、

それぞれがホースで接続されてから、左右のフロントフォークに縛り付ける感じでした…

フロントフォーク内のエアは、ミスト状になった作動油を含んでいるんでしょうか?そのサブタンクには、作動油が蓄積しやすく、ほぼ、走行毎に取り外して、溜まった作動油をフォークに戻す必要がありました。

ということで、今回は、フロントフォークより高い位置にサブタンクを設置しています。

エア抜きビスからの接続はなんとかなったようです。

スピードコントローラという名称の絞り弁

 

バランスフリー