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8mmの薄いスパナはホームセンターで買えました。
300円ぐらいです。

フロントフォークのキャップに取り付けるときは、ワンタッチ継ぎ手(金色)側にスパナをかけて、取り外す場合にはフランジナット側(銀色)にスパナをかければ、ロックナット状態が維持されることでしょう。
2つ入れているOリングですが、イモネジ自体はネジ径M5ですが、P5(内径4.8)ではなくP4(内径3.8)を使用しています。本来のエア抜きビスは、Oリングがかかるところの径が細くなっています。P4の方がいいような気がしています。
JIS規格のP4Oリングならなんでも良いので、NOKではないいい加減な?品物を買えば100個入りで数百円です。
ナイロンチューブの強度が気になって調べてみたのですが、いわゆる引張り強度というのはカタログ値としては存在しないようでした。引っ張れば伸びるのでしょうから、荷重試験機で引っ張るような話とは違うのだと思います。
ネット検索で探して出てきたのが、霧雨散水の気化熱で冷房するナイロンチューブの耐候性についての資料でした。以下のグラフは紫外線を当てて劣化させたナイロンチューブの強度ですが、劣化により伸びやすくなるものの引きちぎられる荷重は変わらず、2000N(200kgf)程度のようです。

ただし、この文献ではチューブの太さが、外径9.5mm、厚み2.5mmとなっています。この場合、断面積はおおよそ32平方ミリとなります。
今回のenzo式サブタンクに使用したナイロンチューブは、外径4mm、厚み0.75mmですので、断面積は9.4平方ミリです。文献のチューブは3.4倍ほど断面積があることから、enzo式サブタンクに使用したチューブが引きちぎられる荷重は、2000N÷3.4≒600N(60kgf)程度ということになりそうです。
ナイロンの紐を引っ張ってちぎれるかというと、人間の力では難しいぐらいの感じなので、こんなもんでしょう。
そうなると、ワンタッチ継ぎ手からチューブが抜けてしまうというのが気になります。
こちらは、SMC製ワンタッチ継ぎ手に関する資料に記述がありました。

JIS規格で80N(8kgf)以上と定められているようです。5kgのダンベルなら大丈夫だけど、10kgだと抜ける感じなので…
サブタンクが落ちても大きいGがかからないと抜けないぐらいの感じかもしれませんが、重量のある部品は固定しておいたほうがよさそうです。
なお、ワンタッチ継ぎ手にチューブを取り付けたり取り外したりする場合に必要な力は以下の通りです。

引き抜き耐力?の80Nと比較してそれほど大きく違わないということは、ワンタッチ継ぎ手については、内圧によって抜けることが少ないという面が重要だということなのかもしれません。
走行後取り外して、こんな状態です。

まず、2個あるOリングのうち上側はつぶれて段付きになってしまいました。
キャップから取り外す場合ですが、ロックナットになっている2個のナットは工具をかける二面巾がそろうわけではないので、ワンタッチ継ぎ手の方を先に緩めることになります。そうするとロックナットではなくなってしまうので、フランジナットは中空イモネジに対して回転してしまいます。
つまり、取り外せません。
中空イモネジの先端に6角穴があいているので、六角レンチで取り外すことができました。他の方法としては、8mmのスパナの薄いものを入手するか、削って薄くすればロックナット状態のままフランジナットを回せそうです。また、さらに他の方法としては、フランジナットとイモネジの間を溶接なりはんだ付けなり接着なりすれば大丈夫かもしれません。
まあ、六角レンチの小さいのがあれば取り外しできます。
オリジナルのenzoサブタンクは、左右2個別々で、
それぞれがホースで接続されてから、左右のフロントフォークに縛り付ける感じでした…
フロントフォーク内のエアは、ミスト状になった作動油を含んでいるんでしょうか?そのサブタンクには、作動油が蓄積しやすく、ほぼ、走行毎に取り外して、溜まった作動油をフォークに戻す必要がありました。
ということで、今回は、フロントフォークより高い位置にサブタンクを設置しています。

エア抜きビスからの接続はなんとかなったようです。

スピードコントローラという名称の絞り弁

エンゾーレーシングのロス・マエダ社長から、フロントフォークに取り付けるサブタンクをもらったことがありました。15年ぐらい前の話です。
左右別々に2つのタンクがあって、フロントフォークとはホースでつながっていました。タンク側にニードル絞りがあってエアの流れを絞る構成でした。
エンゾーレーシングの隣の店舗は、カーボン製品のバーグレーシングということで、タンク本体はカーボンでできていました。ボトムというか円筒カーボンの両端をふさぐパーツは切削品だった気がします。品物がカーボンだからなのか?接着剤で固定されていたようです。数年後には劣化して外れてしまいました。捨ててはいないと思うので、どこかに残骸が残っているはずですが…
エンゾー式サブタンクを取り付けると、フロントフォークのエアが増えるためエア反力が減少します。油面を落とすような効果があります。ロス氏の説明では50ccぐらいは作動油を足した方がいいということだったと思います。
絞りがあるため、フロントフォークが勢いよく縮む場合にはサブタンクが無い状態に近くなり、ゆっくりと沈む場合には油面が低くなったような感じになります。おおざっぱにいえば、ブレーキングではフロントが沈むが、車速が高かったりジャンプした場合はフロントが高めになる感じだと思います。
それで…
同じ機能を持つ品物を「通販で買える部品だけで」制作してみました。

サブタンクは1個にまとめて左右のフォーク両方につなぎます。サブタンク本体は米式バルブのついた再利用可能なスプレー缶です。スプレー缶なのでスプレーすればフォーク内圧を大気圧に戻すことができます。
ホース内径はΦ2.5mmです。耐圧の問題で細いチューブを使いたいという用件があります。ただし、この手のサブタンクは作動油がエアと混じって噴き出してくる場合があって、その場合は絞りが強くなるような状態になります。
絞りは汎用の絞り弁を使います。

SMCという会社の製品は、他社の製品よりも耐圧が高いようです。
本体に油圧回路図が刻まれていますが、戻る方向はチェックになっていて絞りが働かない構成になっています。
構造図です。

チェック弁機能を実現しているのはUパッキンのようです。また、絞り部はUパッキンの内径あたりにあります。
組みたて前の部品です。

ナイロンホースは数百円で数メートル買えます。スプレー缶が高めで4000円ぐらい、絞り弁はスピードコントローラと呼ばれていて1000円~1500円ぐらい、継ぎ手の類は安いものは300円ぐらいから、高くても800円ぐらいの場合が多いようです。計算していませんが、材料代だけだと8000円ぐらいではないでしょうか?
ナイロンチューブを切る専用工具があります。これも1000円しないぐらいだと思います。
M5のメスネジを4mmチューブに接続できる継ぎ手が届きました。

どうやら、パッキンの類は付属していないようでした。

シールテープを巻きます!

実は、シールテープを巻いた経験は数回ぐらいしかありません。もう忘れてしまっていましたが、たいへんに薄くてたよりない感じのテープです。
使い方の説明を読んで2回転巻いてみました。
Oリングは取り外して、向かって右側からフランジナットを組み付けましたが…

中空イモネジの先端がシールテープでふさがってしまっていることに気がつきました。
巻きなおしたところです。

一度巻いてナットを通したシールテープははがせない感じのようです。さらに2回転ほど巻いて、イモネジ先端部は刃物で削り落しました。
再び、フランジナットを組み付けました。

シールテープを厚く巻いていますが、まだ余裕がある感じでした。もっとたくさん巻いてもいいのかもしれません?
継ぎ手を組み付けて完成しました。

下の物が完成品です。上の品物は市販のエア抜きボタンですが、クビ下長さを比較すると今回組みたてた品物の方が多少短いようです。
車体に取り付けてみました。

まだ仮組でナットにトルクはかけていません。
上の方に見える透明なチューブはΦ4mm×Φ2.5mmのナイロンチューブで、耐圧は1.5MPaです。継ぎ手などの部品は耐圧が1MPaの場合が多いですが、SMC他一部のメーカーだと最高耐圧3MPaぐらいの場合があります。
使い捨てではなく、噴霧する液体とガスを補充できるスプレー缶の製品が存在します。
いくつかの製品が存在しますが安いものは3000円ぐらいです。

写真はそのうちの一つですが、使い捨てではないだけあって、缶の厚みもあって塗装も厚く塗られているようです。バルブ付近は切削品のように見えます。
ガスまたはエアーを補充するバルブは米式になっています。

米式バルブなので、ムシを取りはずすことができます。
スプレーノズル部を引き抜いてみました。

ただのパイプではなく、抜けどめの段差があって、太さも使い捨てスプレー缶よりは太いようです。スプレーノズルなのでリリーフ弁の役割ができます。
延長ホースを取り付けて、アキュームレータとして使えないかと思っています。

外径8mmのカラーは入らなかったので、Oリングを2つ入れてみます。
何か、どこかで、見たことがあるような気がするけれども、思い出さない。

こういう風になりました。

車体への取り付け確認

イモネジの先端に6角穴があるけれども、とりあえず手締めでしめてこの程度まで入りました。
ただし、フランジナット内径とイモネジ外径はシールされていないので、なんとかする必要があります。シール材のようなものを塗布するか、もしくは、接着するか溶接してもいいですね。
それから、もともとのエア抜きビスの首したが長く、このイモネジは全長20mmだったと思いますが、先端のネジが足りないくらいです。
メネジのM5から、ワンタッチ継手という製品が存在しています。
https://www.monotaro.com/p/4140/0371/
注文してありますが、4月11日出荷になりました。
10個セットで、2500円ぐらい。
それで、中空のイモネジを入手

その他、Oリング、カラー、滑り止めの無いフランジ付きナット

カラーは外径8mmだけど、もともとのエア抜きビスの首のところ?は、外径7.5mmということで、フロントフォークへの組み付けはできませんでした。
右の白いのは、外径6mm内径4mmで、空気圧用のナイロンホースを切ったものだけれども、M5のネジに内径4mmのパイプだと通らない。