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エンゾー式サブタンク バージョン2.1

 

エンゾー式サブタンクのバージョン2.1です。

前回とそんなに違うわけではないので、バージョン3ではなくて2.1ということにしておきます。

スピードコントローラを、初回テストで使用した品物よりやや小さい定格の製品に変更しました。伸び圧とも同じ品物です。

また、タンクから出てくる部分の継ぎ手を簡略化しました。

ムシのついた米式バルブを追加しました。エア圧をかけられるようになったためエアサスにも使えるような構成です。

対比物として、自転車用の空気入れと、(エアサス用と書かれていた)小型のコンプレサーを並べておきました。コンプレッサーはまだ使いません。9000円ぐらいの品物です。円筒部はモーターで重量があります。

 

標準スピードコントローラAS1002F

 

初回テストではAS2002Fを使用して圧側の仕様が3/4回転戻しに落ち着きました。

10回転ぐらい回せる品物なのでなるべく小さいものにしたいと考えてAS1002Fに変更します。

(3/4)×(8/5)なので、6/5回転戻し、小数なら1.2回転戻しで、大きくは変わりませんが良い方向です。フロントフォークの作動油量を増やす予定なので、もう少し開いたところで使うことになるかもしれません。

ところで、つまみの部分は3つとも作りが違います。AS1002Fは、操作するときは引っ張りだして、押し込むとロックする構成のようです。調べてみたところ、プッシュロックタイプという製品で、初回テストで使用したAS2002F-04よりも新しいタイプのようです。重量も27%低減されているということです。また、型番で見分ける場合は末尾にAをつけるようです。今回使用するのはAS1002F-04Aになります。

 

伸び圧ともに、AS1002F-04Aに変更しました。

 

フォークオイル量の問題

 

先日の投稿で説明した通り、オイルシールを交換しソフトスプリングに変更した際に、オイル量を最低レベルぐらいで組みたてました。後から足せばいいだろうと思っていたからです。

サービスマニュアルをデジカメでとりました。

よく憶えていませんが、310cc狙いで入れたような気がします。

ところで、スプリングによって目標オイル量が違うのは、スプリングの体積や重量が異なるからだと思います。また、最大オイル量に近い設定とした場合、フルストローク時のフロントフォーク内のエア体積がゼロ近くになる(30ccぐらい?)可能性があります。

ということも考えて…

とりあえず40cc足して、次は手加減して30ccぐらい足すか…

オイル量設定の最大と最小で85ccの差があります。ということは、最低オイル量の現状では、フロントフォーク最圧縮時でも内圧が5気圧程度までしか上昇していていない可能性があります。作動油を追加することで、状況が大きく変化する可能性もありそうです。

 

enzo式サブタンク バージョン2 走行テスト

 

イナベに到着したのは15時15分ぐらいでしたが、サブタンクを取り付けたり走行前点検のようなことをしていたら16時過ぎになってしまいました。今週は20分間ぐらいしか走っていません。

 

エンゾーサブタンクバージョン2?を取り付けた画像です。

先日の投稿で説明した通り、サブタンクへ行く経路(圧側)とサブタンクから戻る経路(伸側)の絞り弁(スピードコントローラ)を別々に調整できるようにしました。

標準スピードコントローラ(AS2002F-04)を2個使用したかったのですが、あいにく1個しか保有していなかったため、圧側は低速制御スピードコントローラ(AS1001FM-06)にしました。前回の走行で圧側の絞りはAS2002Fで3/4回転戻し程度が良かったのですが、同程度の絞りはAS1001FMでは20回転戻し程度でほぼ全開です。

サブタンクの取り付け方を変更しました。前回はハンドルバーパットの上に乗せる感じで、可能な限り高い位置に配置しましたが、今回はバーパットの下側にぶら下げるような感じでハンドルクランプの上部に接触しています。バーパットとハンドルクランプの2か所に接触しているので安定してます。フロントフォークのトップキャップよりも上に配置できていれば、作動油がサブタンクへ移動してしまう問題は少なくなると思います。

 

走行テストですが、走行時間が20分程度しかとれないという理由もあって、最初から本コースを走っています。

走り始めでは、圧側スピードコントローラを20回転戻し、伸側スピードコントローラも10回転ほど戻して、伸圧ともに全開のような設定としました。走行した感想ですが、サブタンクなしに似ているけれどもあたりが柔らかいような感じでした。先週のベスト状態に比べると細かい動きがありますが、圧側の踏ん張りは強い感じです。

今回は圧側スピードコントローラは20回転戻し固定にしました。伸側スピードコントローラは、閉じ切り、1/2回転戻し、1回転戻し、2回転戻しを試してます。伸側スピードコントローラを閉じるとフロントが低くなって違和感を感じますが、その分はねにくくなります。姿勢が低く、あたりがやわらく落ち着いた動きのため、コーナーを曲がりやすい感じがします。ただし、全閉だと動かなすぎる感じかもしれません。1/2回転戻し、1回転戻し、2回転戻しは、同じ傾向で傾向の強さが変わるような感じでした。1回転戻しと2回転戻しの間にも差異があるように感じます。

なお、圧側を調整してないためか、弱くて全屈しそうな雰囲気は感じませんでしたが、伸側のスピードコントローラを絞ると低すぎる感じにはなります。

伸側2回転戻しを確認していたら、ラスト1周のボードが出てしまたので、そのまま1周しました。ゴープロの映像でラップタイムを確認したら1分43秒でした。先週始めてサブタンク付きで走った時は1分48秒ぐらいだったので5秒ぐらい速くなっています。だいぶ慣れてきたというか、わかってきたような気がしています。

現在のコースレイアウトで自己ベスト?は1分42秒ぐらいなので、さほど苦労せず1分43秒ということは、乗りやすいということかもしれません。慣れてきたのかもしれませんが、違和感は感じなくなって来ていて、乗り心地が良く走りやすいと感じるようになってきました。

 

ナイロンチューブの外径について

 

これまでのところ、直感的な判断でナイロンチューブは外径4mm、内径2.5mmの製品を使用しています。チューブは細いほど耐圧性能が高いと思いますが、細すぎると管路抵抗が発生して可変絞り弁による調整が難しくなります。

前回のテスト走行で使用した可変絞り弁(スピードコントローラ)はSMC社のAS2002F-04でした。型式表示方法においては、枝番の04が外径4mmを意味しています。

 

該当可変絞り弁の流量特性です。

テスト走行の結果、暫定的には締め切りから3/4戻しがベストでした。グラフ上赤矢印付近で使用していることになります。

ところで、上記グラフはニードル回転数10回転付近で03、04、および、06、07の2つに分かれています。前述の通り、枝番はワンタッチ継ぎ手の対応チューブ外径ですが、03は5/32インチ、04は4mm、06は6mm、07は1/4インチになります。4つの線ではなく2つの線であることから、ワンタッチ継ぎ手以外の部分に最少内径の部分があるのでしょう。

また、グラフの線が2つに分かれるのはニードル回転数が8回転ぐらいより大きい場合のようです。今回制作したenzo式サブタンクは、暫定的にですが締め切りから3/4戻し付近を使用すると良いようでしたので、チューブの太さは外径4mmでも問題なさそうです。

 

enzo式サブタンク バージョン2

 

バージョン2と言っても、逆止弁をつけてサブタンクへ向かう方向の流れと、フロントフォークへ戻る方向の流れを別々に制御しようとしているだけです。

1回目試作と違うのはこの部分です。

スピードコントローラは、伸び側も、圧側も、標準タイプにしたかったのですが1個しか所有していなかったので、圧側は低速制御タイプにしました。

さらに、所有していた低速タイプは6mmチューブ用だったため、6mm⇔4mmの変換継手も使っています。

低速制御タイプは20回転ほど戻せるようですが、1回転あたりの調整幅は標準タイプの40分の1ほどのようです。標準タイプで4分の3回転戻しぐらいが丁度良かったのですが、2分の1回転戻しぐらいまでの調整になりそうです。

現状ではフロントフォーク内の作動油が少なめなのですが、標準か多めに変更すると、内圧が高めになることから、強めに絞ったほうが良い可能性もあります。

 

誤組み防止のため拡大画像を残しておきます。

 

低速制御用スピードコントローラAS1001FM-06

 

スピードコントローラの低速タイプを保有しています。

AS1001FM-06というタイプです。

流量特性は以下のグラフのようになります。

ニードル回転数10回転戻しで3L/分ぐらいの流量になるようです。

※差圧0.5MPaで測定。

 

ところで、エンゾー式サブタンクのテストに使用したスピードコントローラはAS2002Fでした。たまたま在庫があったので購入しています。

走行テストの結果として、閉じ切りから3/4回転戻しぐらいが良かったわけですが…

AS2002Fだと、ニードル5回転戻しでは40L/分ぐらいのようです。つまり3/4回転戻しだと、6L/分ぐらいになります。

 

結局、低速制御用のAS1001FMだと20回転ぐらい戻したところが丁度いいということになりそうです。

同じく低速用でも、AS2051FMなら5回転戻しで20L/分ぐらいなので、これなら3/2回転戻しぐらいで丁度いいぐらいになりそうです。

または、標準タイプでAS1002Fなら5回転戻しで25L/分ぐらいなので、1回転とちょっと戻しぐらいで丁度よくなりそうです。

 

ところで、私のCRF450Rですがフロントフォークのシール交換を実施した時に、再組み立てで作動油量を最低にしてあります。フロントフォークの作動油量を増やせば圧縮時に高圧になりやすく、スピードコントローラを流れる流量も増える可能性があります。

 

enzo式サブタンクのテスト

 

本コースへ移動して、スピードコントローラ全開と全閉の比較から始めました。

全開については、違和感が大きく気をつけて走らないと危ない感じでしたが、まずは、第2コーナーの進入にある突起でフロントが下がりすぎる印象でした。

 

スピードコントローラ全開

 

スピードコントローラ全閉

 

 

続くセクションで小さいジャンプが連続しますが、スピードコントローラ全開の場合はフロントを落とさずにウィリー気味に走る感じになります。

 

スピードコントローラ全開

 

スピードコントローラ全閉

 

 

その後のブレーキング(3コーナー)も、スピードコントローラ全開だと思いきってかけられない感じになります。つまり、フロントタイヤのトラクションよりもサスペンションのバタツキに注意してブレーキをかけるような感じでした。

 

スピードコントローラ全開

 

スピードコントローラ全閉

※前に小さいのがいるせいかもしれません?

 

 

その後、本コース全周を周回しながらスピードコントローラの締め切りから1回転戻し、2回転戻し、1/2回転戻しなどを比較して、3/4回転戻しに落ち着きました。

スピードコントローラの絞りを閉じていた方が違和感が少ないのですが、開いていた場合には、フラットコーナーを走行中にフロントが低くやわらかいため旋回性が高い感じでした。コーナーの進入でそのまま倒しこめる感じでした。

 

その後、確認のためにサブタンクをはずして走ってみましたが、あたりが固くコーナーの進入でもたつく?感じになりました。

夕暮れ時で影が見えますが、サブタンクがある方がフロントフォークが縮んでいて細かい動きが少ないように見えます。

 

ナイロンチューブの強度

 

ナイロンチューブの強度が気になって調べてみたのですが、いわゆる引張り強度というのはカタログ値としては存在しないようでした。引っ張れば伸びるのでしょうから、荷重試験機で引っ張るような話とは違うのだと思います。

ネット検索で探して出てきたのが、霧雨散水の気化熱で冷房するナイロンチューブの耐候性についての資料でした。以下のグラフは紫外線を当てて劣化させたナイロンチューブの強度ですが、劣化により伸びやすくなるものの引きちぎられる荷重は変わらず、2000N(200kgf)程度のようです。

ただし、この文献ではチューブの太さが、外径9.5mm、厚み2.5mmとなっています。この場合、断面積はおおよそ32平方ミリとなります。

今回のenzo式サブタンクに使用したナイロンチューブは、外径4mm、厚み0.75mmですので、断面積は9.4平方ミリです。文献のチューブは3.4倍ほど断面積があることから、enzo式サブタンクに使用したチューブが引きちぎられる荷重は、2000N÷3.4≒600N(60kgf)程度ということになりそうです。

ナイロンの紐を引っ張ってちぎれるかというと、人間の力では難しいぐらいの感じなので、こんなもんでしょう。

 

そうなると、ワンタッチ継ぎ手からチューブが抜けてしまうというのが気になります。

こちらは、SMC製ワンタッチ継ぎ手に関する資料に記述がありました。

JIS規格で80N(8kgf)以上と定められているようです。5kgのダンベルなら大丈夫だけど、10kgだと抜ける感じなので…

サブタンクが落ちても大きいGがかからないと抜けないぐらいの感じかもしれませんが、重量のある部品は固定しておいたほうがよさそうです。

 

なお、ワンタッチ継ぎ手にチューブを取り付けたり取り外したりする場合に必要な力は以下の通りです。

引き抜き耐力?の80Nと比較してそれほど大きく違わないということは、ワンタッチ継ぎ手については、内圧によって抜けることが少ないという面が重要だということなのかもしれません。

 

やはり車速感応でしょう