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エンゾー式サブタンク バージョン2.1

 

エンゾー式サブタンクのバージョン2.1です。

前回とそんなに違うわけではないので、バージョン3ではなくて2.1ということにしておきます。

スピードコントローラを、初回テストで使用した品物よりやや小さい定格の製品に変更しました。伸び圧とも同じ品物です。

また、タンクから出てくる部分の継ぎ手を簡略化しました。

ムシのついた米式バルブを追加しました。エア圧をかけられるようになったためエアサスにも使えるような構成です。

対比物として、自転車用の空気入れと、(エアサス用と書かれていた)小型のコンプレサーを並べておきました。コンプレッサーはまだ使いません。9000円ぐらいの品物です。円筒部はモーターで重量があります。

 

米式バルブ接続部を簡略化

 

現状ではサブタンクから出てくる継ぎ手が大きく、サブタンクの配置に制約を与えてしまっている状況です。

もう少し簡単にできないかと思っていたのですが…

ワンタッチ継ぎ手の構造を見ていて思ったのは、

要するに、ナイロンチューブも柔らかいため、外径側に圧力を回さなければ、内圧で膨らんで抜けなくなるのだろう…ということです。

柔軟なチューブを2重にして外径をワイヤーで拘束すれば、まずシールされるし、2か所で拘束すれば、内圧で膨らんで抜けなくなるのでしょう。

 

小さく軽くしたい意図もあって、内径4mmの米式バルブ延長ホースに、外径4mmのナイロンチューブを入れてみました。

ところが、耐圧テストの結果、

米式バルブ部のねじ込み方によっては漏れてしまうし、どうやら内部抵抗があるようで、コンプレッサーを外してもタンク内の空気が抜けるのに時間がかかる感じでした。

 

そこで、今まで使用していたのと同じ、内径5mmのゴム管で構成された延長ホースで試しました。ナイロンチューブの外径は4mmなので隙間がある状態ですが、ステンレスワイヤーで絞ります。

ナイロンホースを引っ張れば抜けてしまう状態ですが…

耐圧テストの結果、

0.6MPaまで抜けませんでした。

とりあえず、これでやってみようと思います。

 

標準スピードコントローラAS1002F

 

初回テストではAS2002Fを使用して圧側の仕様が3/4回転戻しに落ち着きました。

10回転ぐらい回せる品物なのでなるべく小さいものにしたいと考えてAS1002Fに変更します。

(3/4)×(8/5)なので、6/5回転戻し、小数なら1.2回転戻しで、大きくは変わりませんが良い方向です。フロントフォークの作動油量を増やす予定なので、もう少し開いたところで使うことになるかもしれません。

ところで、つまみの部分は3つとも作りが違います。AS1002Fは、操作するときは引っ張りだして、押し込むとロックする構成のようです。調べてみたところ、プッシュロックタイプという製品で、初回テストで使用したAS2002F-04よりも新しいタイプのようです。重量も27%低減されているということです。また、型番で見分ける場合は末尾にAをつけるようです。今回使用するのはAS1002F-04Aになります。

 

伸び圧ともに、AS1002F-04Aに変更しました。

 

薄型スパナ8mm

 

8mmの薄いスパナはホームセンターで買えました。

300円ぐらいです。

フロントフォークのキャップに取り付けるときは、ワンタッチ継ぎ手(金色)側にスパナをかけて、取り外す場合にはフランジナット側(銀色)にスパナをかければ、ロックナット状態が維持されることでしょう。

 

2つ入れているOリングですが、イモネジ自体はネジ径M5ですが、P5(内径4.8)ではなくP4(内径3.8)を使用しています。本来のエア抜きビスは、Oリングがかかるところの径が細くなっています。P4の方がいいような気がしています。

JIS規格のP4Oリングならなんでも良いので、NOKではないいい加減な?品物を買えば100個入りで数百円です。

 

ナイロンチューブの外径について

 

これまでのところ、直感的な判断でナイロンチューブは外径4mm、内径2.5mmの製品を使用しています。チューブは細いほど耐圧性能が高いと思いますが、細すぎると管路抵抗が発生して可変絞り弁による調整が難しくなります。

前回のテスト走行で使用した可変絞り弁(スピードコントローラ)はSMC社のAS2002F-04でした。型式表示方法においては、枝番の04が外径4mmを意味しています。

 

該当可変絞り弁の流量特性です。

テスト走行の結果、暫定的には締め切りから3/4戻しがベストでした。グラフ上赤矢印付近で使用していることになります。

ところで、上記グラフはニードル回転数10回転付近で03、04、および、06、07の2つに分かれています。前述の通り、枝番はワンタッチ継ぎ手の対応チューブ外径ですが、03は5/32インチ、04は4mm、06は6mm、07は1/4インチになります。4つの線ではなく2つの線であることから、ワンタッチ継ぎ手以外の部分に最少内径の部分があるのでしょう。

また、グラフの線が2つに分かれるのはニードル回転数が8回転ぐらいより大きい場合のようです。今回制作したenzo式サブタンクは、暫定的にですが締め切りから3/4戻し付近を使用すると良いようでしたので、チューブの太さは外径4mmでも問題なさそうです。

 

enzo式サブタンク バージョン2

 

バージョン2と言っても、逆止弁をつけてサブタンクへ向かう方向の流れと、フロントフォークへ戻る方向の流れを別々に制御しようとしているだけです。

1回目試作と違うのはこの部分です。

スピードコントローラは、伸び側も、圧側も、標準タイプにしたかったのですが1個しか所有していなかったので、圧側は低速制御タイプにしました。

さらに、所有していた低速タイプは6mmチューブ用だったため、6mm⇔4mmの変換継手も使っています。

低速制御タイプは20回転ほど戻せるようですが、1回転あたりの調整幅は標準タイプの40分の1ほどのようです。標準タイプで4分の3回転戻しぐらいが丁度良かったのですが、2分の1回転戻しぐらいまでの調整になりそうです。

現状ではフロントフォーク内の作動油が少なめなのですが、標準か多めに変更すると、内圧が高めになることから、強めに絞ったほうが良い可能性もあります。

 

誤組み防止のため拡大画像を残しておきます。

 

ナイロンチューブの強度

 

ナイロンチューブの強度が気になって調べてみたのですが、いわゆる引張り強度というのはカタログ値としては存在しないようでした。引っ張れば伸びるのでしょうから、荷重試験機で引っ張るような話とは違うのだと思います。

ネット検索で探して出てきたのが、霧雨散水の気化熱で冷房するナイロンチューブの耐候性についての資料でした。以下のグラフは紫外線を当てて劣化させたナイロンチューブの強度ですが、劣化により伸びやすくなるものの引きちぎられる荷重は変わらず、2000N(200kgf)程度のようです。

ただし、この文献ではチューブの太さが、外径9.5mm、厚み2.5mmとなっています。この場合、断面積はおおよそ32平方ミリとなります。

今回のenzo式サブタンクに使用したナイロンチューブは、外径4mm、厚み0.75mmですので、断面積は9.4平方ミリです。文献のチューブは3.4倍ほど断面積があることから、enzo式サブタンクに使用したチューブが引きちぎられる荷重は、2000N÷3.4≒600N(60kgf)程度ということになりそうです。

ナイロンの紐を引っ張ってちぎれるかというと、人間の力では難しいぐらいの感じなので、こんなもんでしょう。

 

そうなると、ワンタッチ継ぎ手からチューブが抜けてしまうというのが気になります。

こちらは、SMC製ワンタッチ継ぎ手に関する資料に記述がありました。

JIS規格で80N(8kgf)以上と定められているようです。5kgのダンベルなら大丈夫だけど、10kgだと抜ける感じなので…

サブタンクが落ちても大きいGがかからないと抜けないぐらいの感じかもしれませんが、重量のある部品は固定しておいたほうがよさそうです。

 

なお、ワンタッチ継ぎ手にチューブを取り付けたり取り外したりする場合に必要な力は以下の通りです。

引き抜き耐力?の80Nと比較してそれほど大きく違わないということは、ワンタッチ継ぎ手については、内圧によって抜けることが少ないという面が重要だということなのかもしれません。

 

フロントフォークのエア抜きビス6

 

走行後取り外して、こんな状態です。

まず、2個あるOリングのうち上側はつぶれて段付きになってしまいました。

キャップから取り外す場合ですが、ロックナットになっている2個のナットは工具をかける二面巾がそろうわけではないので、ワンタッチ継ぎ手の方を先に緩めることになります。そうするとロックナットではなくなってしまうので、フランジナットは中空イモネジに対して回転してしまいます。

つまり、取り外せません。

中空イモネジの先端に6角穴があいているので、六角レンチで取り外すことができました。他の方法としては、8mmのスパナの薄いものを入手するか、削って薄くすればロックナット状態のままフランジナットを回せそうです。また、さらに他の方法としては、フランジナットとイモネジの間を溶接なりはんだ付けなり接着なりすれば大丈夫かもしれません。

まあ、六角レンチの小さいのがあれば取り外しできます。

 

enzo式サブタンク試走 ビギナーコース

 

いきなり本コースを走るのは怖いので、南エンデューロコースへ下る坂を上り下りしてみたり、(ジャンプのない)初心者コースを周回したりしました。

スピードコントローラ(絞り弁)を大きく開いた場合と、完全に閉じているであろう?状態を比較しています。

スピードコントローラ全閉でも、サブタンクなしとは違う感じがしました。到着して早々サブタンクを取り付けてしまったため、比較はできませんでしたが、あたりがやわらかく乗り心地がいい感じがします。耐圧は大丈夫といってもナイロンホースなので、ある程度膨らむのかもしれません。

スピードコントローラを全開にした場合に、サブタンクなしとの差が大きいはずですが、乗り心地はいいものの動きすぎる感じで違和感があります。特に気になるのがブレーキング中にギャップがある場合でした。

 

まず、スピードコントローラを全閉にして…

 

初心者コースのブレーキングギャップを通過してみました。

スピードコントローラ全閉のため違和感は小さいですが、次コーナーの轍には入りそこねています。

このセクションだけでなく全体的な印象ですが、サブタンクなしに比べるとフロントが低く弾力がある感じになります。ゴムっぽい動きというか路面の凹凸に対するあたりは柔らかい感じです。

※カメラはネックブレースに付いていますが、この後、両面テープがはがれました。

 

次に、スピードコントローラの絞りを大きく開いて…

 

ブレーキングギャップを通過しました。

やはり、スピードコントローラを開いた方が違和感が大きくなります。まず、ブレーキングで沈み込む量が大きくなりますが、ギャップから受ける衝撃は小さくなるものの、前輪がはねて接地していない時間ができるような感じになりました。一瞬ブレーキが利かなくなったような印象でした。

ただし、フロントがよく沈んでいるのでコーナー進入の倒しこみはスムーズになる印象です。

 

とりあえず機能しているようなので、本コースの方へ行きました。

 

SMC製スピードコントローラのWEBカタログ

 

4月24日追記

低く感じたり、あたりがやわらかいのは、サブタンクからフォーク本体に戻る流路に抵抗があって、フォーク内圧が大気圧以下になっているからではないかと思います。

「真空引き」のような状態になっているのだと思います。

同じような状態はエア抜きボタンでも実現できます。乗車した1G状態でエア抜きボタンを押しておけば、フォークの伸びきり付近では大気圧以下になります。一般的に、油圧機器の作動油を真空引きすると、特性は良くなります。両ロッドタイプの油圧緩衝器は真空引きをする場合が多いようです。

オリジナルのエンゾーサブタンクがどういう構造なのか、詳しいことは知りませんが、ニードルアジャスタがついていただけのようだったので、だとすると、戻り流路も絞られて真空引きになっていたはずです。走りながら真空引きし続ける感じになります。圧縮もするので、全体的にみると真空引きとは言えないのかもしれませんが、圧縮するだけよりはいいのかもしれません。

エア抜きボタンを押し続けながら走る感じです。

 

enzo式サブタンク取り付け

オリジナルのenzoサブタンクは、左右2個別々で、

それぞれがホースで接続されてから、左右のフロントフォークに縛り付ける感じでした…

フロントフォーク内のエアは、ミスト状になった作動油を含んでいるんでしょうか?そのサブタンクには、作動油が蓄積しやすく、ほぼ、走行毎に取り外して、溜まった作動油をフォークに戻す必要がありました。

ということで、今回は、フロントフォークより高い位置にサブタンクを設置しています。

エア抜きビスからの接続はなんとかなったようです。

スピードコントローラという名称の絞り弁