2019年2月23日イナベMSL走行時の計測波形を検討
自分の勤務先はサスペンションメーカーのKYB株式会社ですが、車やオートバイが走行する場合のセンサー値を記録する仕事があります。
実施するのは実験部門や電気電子の得意な人ですが、測定された情報を活用できるのは設計部門の人間、または、ライダー(ドライバー)です。
社内には相当量のデータが蓄積されているはずですが、あまりに膨大すぎてどこを見ていいかすらわからないのが現状でした。
※自分が関わっていた15年ぐらい前の話
時代は進んで、今や無線を利用した計測器でも数万円程度で購入できるようになりました \(^O^)/
といっても精度は悪いですが、精度のいい計測をしようとすると何百万円レベルの話になります。
※実験部門単独で実施する例としては台上試験機の設定条件を算出する目的の場合があります。
とにかく、波形を読むのは容易ではないと言う事です ( ー_ー)ノ
2月23日の走行で圧側アジャスタを8段弱くしました。変化は大きかったのでどこでもいい感じですが、新設セクションの下りブレーキングで比較してみます。
圧アジャスタ12段戻し ブレーキング

圧アジャスタ20段戻し ブレーキング

いつも通り、ピンクがフロント、青がリアのサスストロークです。
白線が車速ですが減速しているのがわかると思います。車速が落ち切っているところはコーナリングが始まっているのだと思います。
たぶん、57秒あたりでガツンとフロントブレーキをかけるのだと思います。12段戻しの時はガツンとかけたところでは踏ん張って、その後も少しづつ沈んでいきますが...
20段戻しでは、いっきに沈んだ後、赤外線センサーから28cm付近でかたまってしまっている感じだと思います ( ・∀・)ノ
なにかわかったような気がしてきたので、味をしめて、少し手前の林の横を通るあたりも見ておきます。
圧12段戻し 林のところ

圧20段戻し 林のところ

とくに難しいセクションではないですが、もともとがモトクロス場の路面ではなくコース幅も狭いので安定感は欲しいかもしれません。
最大振幅で見ると、12段戻しは15cmぐらい、20段戻しは20cmぐらい動いています。
波形は大きいうねりと、小さいうねりが見られると思います。
大きいうねりの頂上は54秒あたり、谷間は52.5秒と56秒あたりにでていると思います。
小さいうねりは53秒と55秒あたりに見られますが、12段戻しの時のほうが振幅が小さく数は多い(周波数が高い)感じになっていると思います。
非常におおざっぱに言えば、大きいうねりの振幅は小さくて(12段が良い)、小さいうねりの振幅は大きい(20段が良い)ほうが良いのだと思います。
アジャスタで出来ることは選ぶことです ( ー_ー)
せっかくなので動画も抜き出しておきます d(⌒ー⌒)
12段もどし
20段もどし
フロントフェンダーの見える位置とか、消えるタイミングとか...
話はかわりまして...
Droggerという計測器は、記録媒体にアンドロイド端末を使用していますが、CSV形式でグーグルドライブ上にデータをアップロードできることがわかりました。
そこで、CSVファイルを使った検討をやってみます。
せっかくなので、EXELではなくてグーグルスプレッドシートでやってみます。
初挑戦です Σ( ̄ー ̄ )
最初はインターネットエクスプローラーでやっていましたが、EXELと比べるとぜんぜん使いにくい...
ですが...グーグルクロムで使うとサクサク?動きました。
これは、グーグルの陰謀だと思います (|| ゚Д゚)ガーン!
そもそも、フォルダというかファイルエクスプローラー(マイクロソフト)を使用しないで、グーグルドライブ上でアプリを起動します。
それはさておき...
ワンラップ分のサスストロークを一画面にしました。
圧側12段もどしの場合

圧側20段もどしの場合

20段戻しの方が沈んでいる場合が多いのでしょうが、そうかと思うと、思い切り入っているのは12段戻しのほうだったりもします? (^-^)
次に、アウターチューブ表面温度のほうを...
12段もどし

20段もどし

なんと!停車後あたりで温度が急上昇していることがわかりました (◎o◎;)
考えられる原因は走行風によってアウターチューブ表面が冷却されていることだと思います。
熱源は作動油でしょうか?
停車すると作動油からアウターチューブに熱が伝わってくるのではないかと? ( ー_ー)